【見知らぬ男性1】「お嬢さん、なーにしてんのー?」

【仁菜】「っ! いえ、その……」

【見知らぬ男性2】「ねえ、オレ達と遊ばない?
 オレ達、イイトコ知ってんだよねー」

【仁菜】「わ、わたし……用事が……」

(こ、怖い……)

知らない男の人達に、それも2人に囲まれ血の気が引く。

足が震え、上手く動かない。

怖くて口も動かないわたしに、男の人達が肩を組んでくる。

嫌悪感が一気に膨れ上がって、
喉が痙攣し吐き気がしてきた。

【仁菜】「は、放してください……っ!」

【見知らぬ男性1】「そんなこと言わないで、オレらと行こうよー。
 楽しませてあげるからさ」

【見知らぬ男性2】「そうそう。それも、サイコーにハイになれるやつ」

【仁菜】「い、いや……ッ!」

【???】「……何をやってるんですか、あなたは」

【仁菜】「え……?」

【千哉】「こんなわかりやすいナンパに絡まれるなんて、
 どうかしてます」

【仁菜】「え……! 珠洲乃君!?」

【見知らぬ男性1】「ああ? 何なんだよ、お前はよ」

【見知らぬ男性2】「俺らの邪魔してんじゃねーぞ!」

【千哉】「……やかましい人達ですね。
 おまけに下品な顔つきをしてる」

【千哉】「鏡で確認した方がいいですよ。みっともない」

【見知らぬ男性1】「何だと!?」

【見知らぬ男性2】「……へえ。アンタ、結構いい顔してんじゃん」

【千哉】「は?」

【見知らぬ男性2】「男は趣味じゃねーけど、アンタとなら出来そうだ」

【見知らぬ男性1】「マジかよ……」

【見知らぬ男性2】「だってよお。
 キレーな顔してるぜ? このお坊ちゃん」

【千哉】「……何を言い出すかと思えば、バカバカしい」

【千哉】「これ以上付き合っていても時間の無駄だ。
 行きますよ」

【仁菜】「え? あ……」

【見知らぬ男性1】「おいおい、みすみす逃がすと思うなよ!」

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